ボルボ XC60 T5 SE【追加グレード】
カテゴリー: ボルボの試乗レポート
2010/08/26
衝撃的な価格と車重でライバル(=ミドルSUV)を牽制!
↑ルーフレールと18インチアルミを標準採用(左)いかにもボルボらしいインパネにはHDDナビを標準装備(右)
2009年夏の日本導入以来、好調な販売をキープし続けているボルボXC60のラインナップに、新たにエントリーグレード“T5SE”が追加された。何と、既存のT6 SEより100万円安い499万円という衝撃的な価格を掲げての登場である。しかし見どころは価格だけではない。そのエンジンは新開発の直列4気筒2L直噴ターボ。最高出力203psを発生するこのエンジンにはパワーシフトと呼ばれるデュアルクラッチギアボックスが組み合わされ、さらに駆動レイアウトはFFとなる。
一方、装備にはほとんど差はつけられていない。すぐ見てわかるのはアルミホイールのデザインくらい。ナビシステムをはじめとする快適装備はもちろん、XC60最大の特徴と言える低速用衝突回避・軽減オートブレーキシステムのシティセーフティも標準で備わる。強いて言えばレザーシートが備わらないが、それを含むレザーパッケージは25万円で用意される。それを加えてもなお、十分にリーズナブルと言えるだろう。
↑新世代2L直4ターボ&6速DCTにより10・15モード燃費10.2km/Lを実現 (左)後席を倒すと容量は1455Lに(右)
軽快な走りと充実の装備。お買い得な一台
では肝心な走りはと言えば、これが期待を上回るものだった。1750rpmという低回転域から30.6kg-mの最大トルクを発生するエンジン、その力を無駄なく引き出すパワーシフト、さらにはT6 SEより140kgも軽い車体が相まって、発進時から動きは軽快そのもの。しかも、その後の回転上昇も気持ち良く、回す楽しみも備わっているのだから嬉しくなる。それにも増して好印象だったのがフットワークの良さだ。エンジンが相当軽いのだろう、ノーズの動きは驚くほど軽快。ロールはするが不安なものではなく、車の動きがつかみやすく、安心して飛ばせるのだ。乗り心地もまったく問題なし。快適な走りを満喫できる。
あるいは、FFということに引っ掛かる人もいるかもしれない。しかし最低地上高がライバルたちを大きく凌ぐ235mmも確保されていることから、よほど険しい場所や降雪地域に行くのでなければアウトドアでもSUVらしい使い勝手を得られるはずだ。
ライバルたるアウディQ5やBMW X3はいずれも500万円台後半スタート。装備の充実ぶりや5年無償という充実したサービスプログラムを考えても、XC60 T5SEは買い得感が際立っている。今後、街でその姿を見かける機会が、ますます増えることになりそうである。
SPECIFICATIONS
| 主要諸元のグレード | T5 SE | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4625×1890×1715 | |
| 車両重量(kg) | 1790 | |
| エンジン種類 | 直列4気筒DOHC+ターボ | |
| 総排気量(cc) | 1998 | |
| 最高出力[ps/rpm] | 203ps/6000rpm | |
| 最大トルク[kg-m/rpm] | 30.6kg-m/1750~4000rpm | 車両本体価格 | 499万円 |
ボルボ XC60 T5 SE【追加グレード】/試乗レポート
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