ハイパフォーマンスな走りを誰もが楽しめる新世代スポーツ

(Tester/桂伸一 Photo/篠原晃一)

コンセプト
すべてを一新した万人のためのスポーツアスリート

三菱 ランサーエボリューションX フロント|ニューモデル試乗三菱 ランサーエボリューションX リア|ニューモデル試乗三菱 ランサーエボリューションX インパネ|ニューモデル試乗
進化し続けるランエボは、ついに10代目となるX(テン)を襲名した。エンジン/ミッション/シャーシ/ボディ、何から何まですべてが新設計で、数字の桁が変わり性能もケタ違いに。最新にして最強のランエボXの誕生だ。

従来のように、ベースモデルからの派生、進化型には違いないが、正確に言うとランサーではなく、ギャランフォルティス(ランサーだけど)がベースの走行性能に特化した、似て比なるモデル。走りはさらに極まり、「WRCのドライバー」のように直線を速く駆け、急減速のブレーキングで鮮やかにコーナーを抜け、「F1ドライバー」のようにステアリング左右のパドル操作でシフトは瞬時のアップ~ダウンが可能。ハイテク装備の充実ぶりで“誰もが”それを味わえる。

室内&荷室空間
豪華さを加えたインテリアと充実した安全装備の数々

三菱 ランサーエボリューションX フロントシート|ニューモデル試乗三菱 ランサーエボリューションX パドルシフト|ニューモデル試乗三菱 ランサーエボリューションX インパネ表示|ニューモデル試乗
広くなった室内はワイドトレッドとロングホイールベース化によるボディサイズの拡大の恩恵を受ける。乗り味を含めて1クラスアップグレードした感があるのは、世界的なスポーツモデルの潮流であり、エボXもそれに含まれる。

シートはサイドが大きく立ち上がったデザインの専用のレカロ。4WDの駆動力と制動力を巧みにコントロールすることでさらに高まった旋回性能による、強力な横Gに対して、前席の2人を確実にサポートする。365mmと小径のステアリングは、太いグリップ感が頼もしく、路面からの入力を手のひらにダイレクトに伝えてくる。

衝突安全強化ボディに最新の安全機能も満載され、走行性能を極めると同時に安全性のための装備の充実ぶりにも注目できる。

ドライブフィール
意のままになる操縦性と安定性の高さが最大の武器

三菱 ランサーエボリューションX 走り|ニューモデル試乗三菱 ランサーエボリューションX エンジン|ニューモデル試乗三菱 ランサーエボリューションX アルミホイール|ニューモデル試乗
エボIXまでは、いわば玄人肌ムキのクイックな操縦特性だった。その意味でエボXの操縦性は、より幅広いスキルのドライバーに対応した操縦性をもつ。それは誰もが扱いやすくて、速い走りを安定して行えるという意味だ。

ランエボ最強出力を誇るエンジンは、先代のようにある回転からの劇的なターボの炸裂がない分、低速から分厚いトルクが立ち上がりグイグイ押し出す力量感はまるで大排気量エンジンのよう。ミッションは新開発の5速もあるが、TC-SSTの6速自動MTをお勧めする。世界的評価の高いツインクラッチ自動MTのスポーツ制御版といっていいだろう。速い走りに正確に応える制御はドライバーの意思に直結して、ドライバーに走りの新たな楽しみを提供してくれる。

こんな人にオススメ

操縦性を含む走行性能を楽しむ向きに…なのだが、先代のように硬派なドライバーだけではなく、それこそ女性のAT派ドライバーにも安心して楽しめるTC-SST、自動変速機能によりエボXの魅力を伝えることができる。先代のGT-A以来の2ペダル操縦を、速く正確に楽しく行える新世代スポーツの一つのカタチを提示している。
主要諸元のグレード GSR
駆動方式 4WD
トランスミッション ツインクラッチSST
全長×全幅×全高(mm) 4495×1810×1480
ホイールベース(mm) 2650
車両重量(kg) 1540
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1998
最高出力[kW(ps)rpm] 206kW(280ps)/6500rpm
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 422N・m(43.0kg-m)/3500rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/55
車両本体価格 GSR(TC-SST) 375万600円
GSR(5MT) 349万5450円