東京ドームより神宮球場、そして最新オープンよりちょい枯れオープンカー!(個人的には)
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/08/19

「クーペのようなオープンカー」に乗ることに、果たして意味はあるのか?
あなたにもひいきにしている地元のプロ・スポーツチームというのがあろうかと思うが、筆者の場合はプロ野球の「東京ヤクルトスワローズ」だ。本拠地の神宮球場でやる試合には可能な限り足を運ぶことにしている。しかしその神宮球場は古典的な青空球場であるため、夏の間は死にそうなほど暑い。
18時に始まるナイトゲームが3回裏の攻撃を迎える頃にはいくぶん涼しくもなるが、スターティングメンバーがアナウンスされる17時半頃から日が完全に沈むまでの間は、ハッキリ言ってすべてを投げ出して冷房の利いたどこかに逃げ出したくなるほどクソ暑い。正直、来てしまったことを後悔する。
しかし、だからといって空調完備のドーム球場に建て替えてほしいかというと、そんなことはまったくない。ないどころか、2020年の東京オリンピックに関連する建て替えでもしも神宮球場がドーム式になってしまったら、わたしは神宮通いをやめるだろう。ついでに言えば、新しい神宮球場がもしもザハ・ハディド氏がデザインした新国立競技場のようなデザインになったとしても、通わなくなるかもしれない。
まぁザハ氏のことはさておき、筆者は以下のように思う。野球だろうがサッカーだろうが何だろうが、屋外で行われるスポーツが「ちゃんとした屋外」で行われること、つまり、見上げればそこに空があり、風が吹き、夜になれば星がまたたき、あまりにもあんまりな天候のときにはゲームがしっかり中止になる「フィールド」や「パーク」で行われるということは、多少暑いとか暑くないとか以上に重要なことなのだ。ある意味、その種目の生死を分ける問題なのだ。
例えばだが「すべての試合がドーム式スタジアムで行われるサッカーW杯」を想像してみられよ。……そんなもの、観たいですか? まぁ実際にプレーをする選手の皆さんはまた別の意見をお持ちかもしれないが、いち観客としてはそう思うのである。
これと似たようなことが「オープンカー」においても言える気がしてならない。
最新のオープンカーは、まるで最新ドーム球場のように快適だ。主には電動開閉式のメタルトップを採用しているため、ルーフを閉めておけば普通のクーペとほとんど変わらぬ静粛性となり、ルーフを開けても風の巻き込みは最小限であり、首のあたりにちょうどいいあんばいの冷風や温風を当てることができたりする。至れり尽くせりというか、固定屋根を持つクーペを所有するのとほぼ変わらぬ快適性を、オープンカーでありながら保持しているのだ。
だが、そこで当然のように湧きあがる疑問が「じゃ、クーペでいいじゃん」ということだ。
もちろんこのあたりの価値感は人それぞれであり、「超絶快適性と超絶走行性能を維持しつつ、ときどきオープンエアモータリングも楽しめる」という最新オープンカーの持ち味を否定するつもりはない。しかし、個人的には「オープンカーってのは外界と半分つながっててナンボだろ!」と思うのである。

ちょっと古めのオープンカーは、ルーフを閉めていてもロードノイズなどが常に微妙に入り込み、ルーフを開ければそこそこ風が巻き込み、隣の人とも大きめの声で「えっ? 今なんつったの?? もう1回言って!」などと会話する必要がある。ハッキリいって不便である。
しかし、冷房や暖房をガンガンに効かせれば夏でも冬でも非常に快適であり(ただし真夏の日中に屋根を開けるのはオススメしませんが)、現代のオープンカーと違ってAピラーが切り立っている場合が多いので、空を見上げれば、そこはまさにそ「空!」である。
……当たり前のことを言ってるように聞こえるかもしれないが、近年のやたらAピラーが寝ているオープンカーでは、空も実は狭いのだ。

もしもオープンカーを通じてそういった世界観を手に入れたいなら、つまり夏の神宮球場で野球を観るような(暑いけど)爽快感を感じたいなら、選ぶべきは最新のそれではなく、ちょっと古いそれだ。
ということで今回のわたくしからのオススメは、ずばり「ちょっと古い世代のオープンカー」だ。
- Search the selection!
- Car:VW ゴルフカブリオ&ビートルカブリオレ&プジョー 306カブリオレなど
- Conditions:修復歴なし&総額表示あり
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