「あまちゃん」テーマ曲に学ぶフィアット パンダの価値
カテゴリー: クルマ
タグ: EDGEが効いている / EDGE SELECTION
2015/10/19
▲2013年6月登場の現行フィアット パンダ。これと、同じく13年に放映された朝ドラ「あまちゃん」の関係は?
大切なのは性能それ自体ではなく「合う・合わない」の問題
このカーセンサーEDGE.netには「ランボルギーニ アヴェンタドール LP750-4 スーパーヴェローチェは限界を引き出せるスーパーカーである」だの「アウディ R8はアウディにしか作れないスーパースポーツだ」などという景気のいい見出しとともに、キラ星のごとき輸入ハイクオリティ車が当たり前のように多数掲載されている。それを見ていると、「そんな車、逆立ちしたって買えないオレは人間失格なのか……?」と思い悩んだりもする。
しかし、そういった車を無理に買う必要などどこにもないし、ましてや買えないからといって劣等感を抱く必要などまったくないのだ。そのことを教えてくれたのは、2013年に放映されたNHKの朝ドラ「あまちゃん」のテーマソングだった。
同ドラマの放映終了後にNHKで放送された、「あまちゃん」のテーマソングや劇中曲を、番組内で実際に演奏・録音したミュージシャンたちが生演奏してみせるという番組。その中でリコーダー(縦笛)担当の音楽家が言っていた。
「NHKの大きな仕事ということで、ものすごい高価で上等なリコーダーを買ったんですよ。そしてあくまで念のため、小学校の音楽の授業で使うような安~いリコーダーも持参しました」
音合せをしてみた結果はどうだったか?
「……高いリコーダーの音色は確かに素晴らしいんですけど、“あの曲”には全然合わないんですよね、浮いちゃって。で、小学生的なリコーダーで試してみたところ……完璧でした(笑)」
便宜上カギカッコを使っているが、リコーダー奏者は一字一句違わずこう言っていたわけではない。が、発言内容のエッセンスはまさに上記のとおりであった。つまり楽器というのは大抵の場合、高価であればあるほど素晴らしい音色を奏でるものだが、それと「合う・合わない」はまったくの別問題であるということだ。
これと同様のことが輸入車においても言えるような気がしてならない。
車も楽器と同じで、基本的には高額なモデルであればあるほど素晴らしいパフォーマンスを発揮するし、大抵の場合、乗り味も素晴らしい。だが、それと「自分の生活に合う・合わない」はまったくの別問題なのだ。
▲アヴェンタドール LP750-4 スーパーヴェローチェは最高すぎる車だが、筆者の「生活」に合うかといえば?
素晴らしい車は確かに素晴らしいが、もしもそれが自分の「生活」のようなものにいまひとつ合っていないのであれば、あまり意味はないのである。極端に言えば四畳半一間みたいなところに住んでいる筆者には、アヴェンタドール LP750-4 スーパーヴェローチェよりも、もっとこうカジュアルな何かの方が断然「合う」。「男女の仲」という非常に重要な事柄からもわかるとおり、物事というのは「パフォーマンスそれ自体」以上に「合う・合わない」の方が重要だったりもするのだ。
もちろん、あなたが富裕層や準富裕層、あるいはアッパーマス層あたりに属していて、そして圧倒的パフォーマンスを発揮する輸入車を好むのであれば、アヴェンタドールでもアウディ R8でも何でも買えば良い。しかしもしもそうではないのなら、無理に買う必要がないのは当然として、うらやましく思う必要すらないのだ。
では、筆者のようなアッパーマス層ですらない人間が買うべき輸入車とは何だろうか? 個別の車種でいうとそれこそ星の数ほど候補がありそうだが、基本的には「普通人としての健康ですこやかな生活にマッチする全体の感触と機能があり、それでいてちょっとお洒落な、高級というよりは『上質』を感じさせる何がある車」ということになるだろう。
例えばそれは、現行フィアット パンダだろうか。
▲歴代パンダの思想を受け継ぎながら、デザイン性や燃費性能、環境性能などを高いレベルで融合させた現行フィアット パンダ。エンジンはフィアット 500などで定評のある0.9Lの直2ターボ「ツインエア」を採用
▲こちらは四輪駆動バージョンである「パンダ4×4」
もちろん、前述のとおり個別の候補は星の数ほどあるため、絶対に現行パンダでなければならない理由はない。ただ、とりたてて高級ではないものの「自分自身が運転しているのだ」という確かな感触が両の手とお尻に伝わり、実用車として非常に見目麗しく、内装の細かな箇所にまで「センス」のようなものがさりげなく発揮されている現行パンダは、4×4以外はおおむね100万円台で買えるという手頃さも含め、筆者を含む普通人にとって「良き選択」のひとつかと思うのだが、どうだろうか。
ということで今回のわたくしからのオススメは、ずばり「現行フィアット パンダ」だ。
▲実用ハッチバックとして使い勝手を重視した作りの内装だが、それでも全体の雰囲気や細かな部分の意匠がいちいち洒落ているのは、さすがはイタリア車といったところ
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- Car:フィアット パンダ
- Conditions:修復歴なし
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