【試乗】BMW X5 xDrive 50e M Sport｜洗練されたデザインと体躯に見合わぬスポーティな走りを体感できるSAV

▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、BMW X5 xDrive 50e M Sportに試乗した際のレポートをお届け

さらにパワーアップしたデザインと装備

今年の４月に大幅な改良を施されたX5が登場した。

エクステリアで言うと、BMWの新たなアイデンティティを取り入れたヘッドライト、バンパー、テールライトも世代に合わせた意匠に加えて質感も向上している。以前よりもさらにスポーティでシャープな印象だ。

▲今回試乗したのは、「BMW X5 xDrive 50e M Sport」

▲ボディサイズは全長4935×全幅2004×全高1755mm

乗り込むと感じるのが、クリーンになったセンターコンソールだ。セレクターや次世代のiDriveも搭載されている。曲面のディスプレイは視認性の良さを兼ね備えている。余談だがこの曲面モニターはプレミアムモデルだけにとても高価である。

また、全体的に送風口が小さくなり上品さをさらに醸し出した。BMWは私が知る限りスポーティで上品な装いが得意である。

▲12.3インチのメーターパネルと14.9インチのコントロール・ディスプレイが一体化した最新のカーブド・ディスプレイが採用されている

▲広々としておりラグジュアリーな車内

X5 50eの最大の特徴は、出力とPHEVの性能を向上した点にある。トランスミッションにモーターを組み込んだ8速ATは以前よりもモーターの出力を向上させて84馬力上乗せの197馬力に高めた。

ガソリンユニットは王道の3リッター6気筒ターボ仕様で、単体の出力は313馬力である。このユニットの出力特性だけで理解できるのはトルク型で、X5とPHEVの重量のネガティブな部分を改善するために必要な出力特性にしてることがわかる。また、モーターとエンジンのシステム合計出力は490馬力である。

車重を感じさせない、洗練された走りの良さ

では、走りだそう。スポーツ、コンフォート、ECO PROのモードがあるが、今回は標準的なコンフォートで試乗する。

モーターによる走り出しは非常に滑らかで力強い。エンジンを始動することなくスイスイスムーズになだらかな道を走行する。

少し踏み込んでエンジンを始動。名門の直列6気筒の始動時の音は、実にハーモニックで気持ちがいい。BMWは演出もスポーティな雰囲気だ。

2.5tとは感じさせない中間加速で、走りの性能は申し分ない。以前のこの仕様のX5に比べると明らかに静粛性が向上していて、走り出しも力強く高級な印象が増した。車重を感じさせないハンドリングもBMWならではといったところだ。

PHEVモデルに多いのは、緩やかなコーナーでは出口に向かっていくほどボディ上側が外に強くなる傾向にある。それを補うためにロール剛性を高めるが、高級なモデルにはそぐわないセッティングである。そのあたりも以前のモデルよりも洗練した。

装いを新たに、上位車種のX7よりも力強く、バランスの取れたボディスタイルにぴったりなパワープラントを身につけた。そして洗練されたサスペンション。上品なインテリアにマッチした走行性能。この改良モデルはドライバーズカーとしてステータス性が高められている。

【試乗車 諸元・スペック表】
●BMW X5 xDrive 50e M Sport

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。

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