ポルシェ 911GT3 (島下泰久)【海外試乗】
2013/08/29
初代に比べれば随分快適とはいえ、室内は騒々しく、乗り心地も締め上げられたGT3は、走ることにすべてを捧げた車であることに違いはない
すべてが現代的に進化、しかし紛れもないGT3
これはもうサーキットに行くしかない
新しい911GT3は、従来のGT3ファンを困惑させる1台だ。何より議論を呼びそうなのがパワートレイン。エンジンは初代以来使われてきた空冷由来のM64型ではなく、カレラ系がベースの3.8L直噴となり、ギアボックスは、何とPDKのみとなっているのだから。
しかし腑抜けにはなってはいない。アイドリングはややラフ。PDKを1速に入れてもクリープはしない。アクセルを踏み込んで発進させると、あとは右足の動きと回転上昇がシンクロしたかのようなダイレクトな加速感を堪能できる。
圧巻なのは吹け上がりの速さ。7000rpmオーバーまででも十分迫力があるのに、その先で音がさらに甲高く変化して、9000rpmまで一気に達するのだ。PDKもショックをいとわず瞬間変速。まさに意のままに操れる。実はこのあたりのプログラムはカレラ系とはまったくの別物なのだ。
そしてシャーシには、リアホイールステアが新採用となった。これは低速域では逆位相に、高速域では同位相に後輪を操舵するものだが、フットワークには違和感はなく、とにかくよく曲がり、安定感も抜群。限界は凄まじく高く、公道ではタイヤを鳴らすこともできなかった。これはもうサーキットに行くしかない。
気持ちを昂らせるのはGT3の証
そう、乗っているとサーキットで思い切りムチを入れたいという衝動に駆られる。新しいGT3も、そんな車なのだ。
寂しさが皆無だとは言わない。しかし、こうして走りの気持ちを昂らせるのは紛れもないGT3の証だと、モータージャーナリストの中でもいちばんのGT3ファンを自認する筆者が保証しよう。
SPECIFICATIONS
| グレード | GT3 | ||
| 駆動方式 | 2WD | ||
| トランスミッション | 7DCT | ||
| 全長×全幅×全高(mm) | 4545×1852×1269 | ||
| ホイールベース(mm) | 2457 | ||
| 車両重量(kg) | 1430 | ||
| 乗車定員(人) | 2 | ||
| エンジン種類 | 水平対向6DOHC | ||
| 総排気量(cc) | 3799 | ||
| 最高出力[ps/rpm] | 475/8250 | ||
| 最大トルク[N・m/rpm] | 440/6250 | ||
| 車両本体価格(万円) | 1859 | ||
あわせて読みたい
オフロードもなんのその!趣味も日常も共に走り抜けるイタリアンコンパクト フィアット パンダ
M・ベンツのセダン狙いのあなたに推したい“粋な別解”4ドアクーペ CLSクラス。新車で1000万円超えが今中古車なら総額300万円台! オススメの選び方は?
6台を所有する根っからのスポーツカー好きのイチオシは、“ノーマル戻し”のトヨタ スープラ70
R32型 スカイラインGT-Rが50万円から? あの時買っときゃ良かった……のモデルを振り返り“後悔を楽しむ”
アメリカで販売台数ナンバーワンのF-150が日本の公用車に!? 知るほど沼る、魅惑のフォード車5選
マツダ ロードスター12Rの抽選に外れて絶望している人必見! 代わりにコレ、どうですか? 5選
トヨタ センチュリーがブランド化! クーペタイプも公開された今、改めて歴代モデルを振り返ってみよう!
「大人になったら絶対にこの車に乗ろう!」と子供の頃の夢を叶えた86(初代)
他人とかぶりたくない! 中古の輸入車が買えるほどチューニングしたオレンジのトヨタ 86
頭文字Dの再現度が圧巻! 世界中の人たちとつながれたトヨタ スプリンタートレノとの出合い












