フォーミュラE▲“電気自動車のF1”とも呼ばれる「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」。新世代のモータースポーツとして2014年から始まり、今シーズンで10年目に突入。ついに日本で、しかも東京の公道で開催されることになり、がぜん注目を集めている

日本初のフィーミュラカーによる公道レース! チケットは3分で完売!?

2024年3月30日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の第5戦がついに東京で開催される。フォーミュラEとは、2014-2015年シーズンに始まった100%電動フォーミュラカーによるワンメイクレースだ。最大の特徴は、排ガスも騒音もないためサーキットではなく大都市やリゾート地などの市街地コースでも開催されていること。数年前から横浜や東京など日本国内での開催が検討されてきたが、小池百合子東京都知事のバックアップもあり、ようやく実現にこぎつけたというわけだ。

もちろん東京都としては、ZEV(ゼロエミッションビークル)の普及、そしてカーボンニュートラル社会の実現といった目標があってのものだ。フォーミュラE東京大会の開催に合わせて3月30日~31日の2日間にわたって、東京都は「E-Tokyo Festival 2024」を開催。最新のZEV車両の展示や試乗、音楽ライブ、パブリックビューイングなど様々なイベントを実施するという。なお、フォーミュラE東京大会のチケット販売は2月1日に開始したが、わずか数分で完売と注目度の高さがうかがえる。

ちなみにコースは、有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)を囲むようにレイアウトされた全長約2.6km、18ターンからなるもの。東京の公道が自動車レースに使用されるのは今回が初という。
 

フォーミュラE▲フォーミュラE東京大会の開催に先駆けて、小池百合子東京都知事とFormula E Operations Ltd.のジェフ・ドッズCEOが「TOKYO ZEV ACTION × フォーミュラE東京大会PRイベント」のオープニングセレモニーに登場。イベントでは東京ラウンドのコースを設定したレーシングシミュレーターで小池百合子東京都知事がドライブする一幕も(写真:Formula E)

現在フォーミュラEのマシンは、約10年の歳月をかけて第3世代である「GEN3」に進化している。これは、先代のGEN2と比べ車両重量を大幅に軽量化、最高出力が250kWから350kWにまでパワーアップし、最高速度は時速280km/hを超える。また、前後に2基のモーターを搭載し(フロントは回生専用)、最大回生電力は600kWに向上。強大な回生ブレーキのためリアに油圧ブレーキは必要ないという。

今シーズン参加しているのは、11チーム22台と22名のドライバー。参戦している自動車メーカーは、ジャガー、ポルシェ、DSオートモビル、マセラティ、そして日本のメーカーである日産自動車となる。

これらの顔ぶれを見ればわかるように参戦メーカーは、ジャガー iペイス、ポルシェ タイカン、マカン、DSオートモビル DS3 クロスバック E-TENSE、マセラティ グラントゥーリズモ フォルゴーレ、日産 アリア、リーフ、サクラなど、市販BEVを手がけている。
 

フォーミュラE▲自動車メーカーやレーシングチームなど11チームが参加する今シーズン。過去にはジャック・ヴィルヌーヴやヤルノ・トゥルーリ、佐藤琢磨、小林可夢偉などF1経験者も参戦していた。第3戦まで終えた時点でのトップはジャガー・TCS・レーシングのニック・キャシディ選手

現行のフォーミュラEのルールでは、新規参戦へのコストを抑制するため、シャシーや空力パーツ、そしてバッテリーなどの独自開発は認められておらず、パワートレインなどを除けばほぼワンメイク仕様となっている。それゆえ、メーカーとしては独自技術の開発やそれらのアピールの場としては活用しづらいこともあり、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったドイツ御三家も一度は参戦したものの、撤退してしまった経緯がある。

2026 - 2027年シーズンから導入予定の「GEN4」マシンでは、さらにバッテリー容量も航続距離も向上し、パワーも現行型であるGEN3の倍近くになるコンペティティブなマシンになると公表されおり、さらにそのタイミングでワンメイクのタイヤサプライヤーとして日本のブリヂストンが選出されている。市販のBEVと同様にフォーミュラEもまた進化の過程にあり、今後は新しいメーカーの参入や再参入もあるだろう。

フォーミュラEは都心にコースが設営されるので、電車で気軽に見に行けることも魅力の一つ。電動化の急先鋒として、日進月歩で進化しているフォーミュラEの今を、東京でライブで見ることができるのは、大いに楽しみだ。
 

フォーミュラE▲2016-2017年シーズンから参戦しているジャガー・TCS・レーシング
フォーミュラE▲ジャガーのBEVといえば、SUVタイプのIペイス。2018年から販売され、中古車市場でも人気のある1台

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ジャガー Iペイス × 全国
フォーミュラE▲2019-2020年シーズンから参戦しているのがタグ・ホイヤー・ポルシェ
フォーミュラE▲ポルシェのBEVといえば、ハイパワーかつスポーティなタイカン。ポルシェらしい走りを味わえる一台でもある
フォーミュラE▲1月に発表された新型マカンは全グレードがBEVとなった。日本導入時期は未定だが、期待したい新型BEVだ

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ポルシェ タイカン/タイカンクロスツーリスモ × 全国
フォーミュラE▲モータースポーツの印象が薄いDSだが、2015-2016年シーズンから参戦。2022-2023年シーズンからペンスキー・オートスポーツとタッグを組み、DSペンスキーとして参戦している
フォーミュラE▲DS 3クロスバックE-TENSEは「エレクトリック・エレガンス」をうたうBEV。高級感が漂うスタイルながらBEVとしては手頃な価格が魅力の一つ

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DSオートモビル DS 3クロスバックE-TENSE × 全国
フォーミュラE▲イタリアの自動車ブランドとして唯一、フォーミュラE初年度から参戦しているマセラティ MSG レーシング
フォーミュラE▲2023年11月に日本においてアジアプレミアされた新型グラントゥーリズモ。V6エンジンモデルの他に、BEVのフォルゴーレも登場する予定だ
フォーミュラE▲2018-2019年シーズンから参戦している日産。参戦1年目から好成績を収めており、日本の自動車メーカー唯一の参戦チームとして期待したい
フォーミュラE▲クロスオーバースタイルのBEVとして登場したアリア。66kWhと91kWhという2種類のバッテリー、2WDとe-4ORCE(4WD)という2種類の駆動方式から選べる選択肢の広さが魅力
フォーミュラE▲量産型BEVの先駆けというべきリーフ。すでに2世代目となり、その熟成度の高さからもBEVの代表というべき存在。アクセルペダルだけで加減速できるe-ペダルや自動運転技術「プロパイロット」など、まさに先進的な1台
フォーミュラE▲軽自動車という扱いやすいボディサイズ、さらに航続可能距離も最大180km(WLTCモード)とすることで日常生活に十分な性能とすることで価格を抑えることでヒット作となったBEV

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日産 アリア/サクラ/リーフ × 全国
文/藤野太一 写真/ジャガー&ランドローバー ジャパン、DSオートモビル、日産自動車、ポルシェ ジャパン 、マセラティ ジャパン