【オンリーワンを探せ】ピックアップがコルベットエンジン搭載!?
2012/09/11
原稿執筆時点でカーセンサーnetに一台のみ掲載されている希少車を紹介するこの企画。今回、2012年9月5日で発見したのがHSV MALOO R8です。HSVとはオーストラリアのホールデン(GM傘下の現地ブランド)・スペシャル・ヴィークルズを指し、メーカー純正のチューニングカーを送り出しているブランド。ちなみにスコットランド人レーシングドライバー、トム・ウォーキンショー(TWRオーナー!)とのジョイントベンチャーです。MALOOはオーストラリア原住民、アボリジニの言語で「稲妻」を意味しています。
オーストラリアの農家やブルーカラー系個人事業主に大人気なのが“ユート”という車。ユートとはUtility(使い勝手)を短縮したスラングで、ガンガン荷物を積めるピックアップトラックの一般名称です。このMALOO R8はそんなユートのひとつ「ホールデン・ユート」という車をベースにしたスペシャルモデル。「ホールデン・ユート」自体は「コモドア」という量産車をベースに作られています。日本車で例えるならトヨタ・クラウンのような存在で、営業車から高級送迎用車両まで、仕様や名称を変えてラインナップされています。ちなみに、このMALOO R8、シボレー・コルベット(C5型)と同じ5.7L V8(LS1エンジン)を搭載しているのです。
オーストラリアの車好きはV8エンジンが大好物。高効率うんぬんよりも大排気量、大トルクがもてはやされるんです(笑)。実用重視のはずのユートなのにコルベットのエンジンを積むのはステイタス・シンボルと言ってもイイでしょう。オーストラリアでMALOO R8に乗っていれば、農家やブルーカラー系個人事業主からは羨望の眼差しが飛んでくるものです。日本では“よくわからないけど凄そうな車”として注目されること間違いありません。ハイパワーエンジンを搭載するにあたって足回りを引き締め、ブレーキを強化し、ルックスもスポーティに仕上げてあります。
なお、2006年に登場したMALOO R8は最高速度271km/hを達成し、ダッジ・ラムSRT-10から世界最速ピックアップトラックの座を奪い取っています。ハンドリング性能うんぬんではなく、ピックアップトラックなのに“いざとなれば速い”という意表を突いたところに魅力があるんです。今回、ご紹介したMALOO R8はYシリーズのシリーズ2(後期型)で、世界で361台しか存在しません。315万円あれば中古のポルシェ911を狙えますが、似たような速さをもつピックアップトラックという選択も面白いと思います。無駄の美学を教えてくれる個性派ピックアップトラック、世界的にも珍しい存在です!
Text/古賀貴司(自動車王国)
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