スバル インプレッサ ▲スバル最新のデザインテーマである「ボルダー」が織り込まれる次期インプレッサ。存在感に磨きがかけられそうだ。左右ポジションランプと、グリル内のメッキモールでワイド感を表現か。シャシーには改良版が用いられ、新開発の1.5Lターボが搭載される可能性も

次期インプレッサ、その正体とは

6年前となる2016年に現行モデルが日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したインプレッサ。刷新が進むスバル商品群のリストに、いよいよ次期インプレッサも名を連ねる時期が近付いている。

フォレスターとともに、スバルの屋台骨を支えるインプレッサは登場から6年が経過。Cセグメントのセダン、ハッチバック市場は縮小傾向にあるとはいえ、激戦区であることに変わりはない。

では、インプレッサはどう変わるのか。次期XVからSUVテイストを取り除いて乗用車に仕立てた車が次期インプレッサとなるようだ。

スバル インプレッサ▲プラットフォームと2L直噴エンジンが新開発され、国産車初の歩行者エアバッグが全車に標準装備された点も注目を集めた現行モデル。スバルにとっては13年ぶりの日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車となった。そして今年、インプレッサはブランド誕生30周年を迎える

XVありきのインプレッサ?

そもそもXVは、インプレッサの販売が伸び悩んでいた欧州と中国からのリクエストを受けて開発されたモデルだった。そんな事情もあって、「インプレッサありきのXV」から「XVありきのインプレッサ」へと体制は変わる。

つまり、内外装デザインや走りは次期XVで最適になるよう開発が進められ、インプレッサはそこからの派生モデルとして生み出される。

インプレッサファンにとっては寂しい限りで複雑な心境かもしれないが、じつはシリーズとしてみたときにはメリットの方が大きい。

走りの作り込みは背の高い車に合わせて最適設計できれば背の低い車に転用することはたやすいからだ。デザインにも同じことが言える。SUVらしい派手な造形から引き算を行えば個性的だけど、落ち着いたルックスをまとうことができるだろう。

一巡してして成熟期に入るプラットフォーム

現在の「スバルグローバルプラットフォーム」は、現行インプレッサで登場したもの。このプラットフォームは改良が施され、2020年にレヴォーグがイヤーカーとなった。

次期インプレッサでは、レヴォーグで採用されたフルインナーフレーム構造の次世代プラットフォームが採用されることは間違いない。

「走る、曲がる、止まる」の基本性能はCセグメントハッチバックの王様である、フォルクスワーゲン ゴルフを超えることも夢ではないかもしれない。

パワートレインはまだ不透明な部分も多い。2.4Lターボと1.8Lターボ、それに続く第3のダウンサイジング過給として1.5Lターボ搭載が濃厚だが、1.8Lターボの燃費が思いのほか伸びない点を加味するとCAFE対応のカンフル剤になるとは考えにくい。

おそらく、主力は電動化ユニットになるだろう。トヨタから供給を受ける2モーター式のストロングハイブリッドがベストチョイスだが価格を踏まえると、1モーター式の「e-BOXER」続投の可能性が高い。

スバル インプレッサ▲こんな技術が盛り込まれるかもという予想を2つ。ひとつ目は操舵系の摩擦低減や、ボルト締結部の剛性を最適化することで車両応答性が向上し操る楽しさと高い安全性がもたらされるというもの
スバル インプレッサ▲ふたつ目は前輪ホイールアーチ後方とリアバンパーにエアダクトが設けられて直進安定性を高めるというもの

ブランド誕生30周年

次期インプレッサはいつ登場するのか。新型コロナウイルスの影響で流動的な部分も多いが、スバルが重視するメイン市場の北米でお披露目されることは間違いない。

次期XVは2022年4月のニューヨークオートショー、インプレッサは同年11月のLAオートショーでのアンベールが濃厚だろうか。

今回の世代交代は、ブランド誕生30周年にふさわしいイベントとして大々的にアピールされるはずだ。

※2022年3月11日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2022年11月
■全長×全幅×全高:4650×1780×1450(mm)
■搭載エンジン:1.5L 水平対向4+ターボ 他

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、スバル